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「宝石の条件」

公開日: : まめ知識

宝石、とひとことに言っても、その性質は宝石ごとに異なります。

しかしながら、宝石が「宝石」たり得るには、当然いくつかの条件があります。

では、どのような条件なのでしょうか。

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宝石(ほうせき)とは、希少性が高く美しい外観を有する固形物のことです。

一般的に外観が美しく、アクセサリーなどに使用される鉱物を言います。

主に天然鉱物としての無機物結晶を指しますが、ラピスラズリ、ガーネットのような数種の無機物の固溶体、オパール、黒曜石、モルダバイトのような非晶質、珊瑚や真珠、琥珀のような生物に起源するもの、キュービックジルコニアのような人工合成物質など様々です。

 

条件

宝石としての必須条件は何よりその外観が美しいこと、次に希にしか産しないこと(希少性)でありますが、第三の重要な条件として、耐久性、とりわけ硬度が高いことが挙げられます。

これは、硬度が低い鉱物の場合、時とともに砂埃(環境に遍在する石英など)による摩擦風化・劣化のために表面が傷ついたりファセットの稜が丸みを帯びたりして、観賞価値が失われてしまうためです。

例としてダイヤモンドはモース硬度10、ルビー・サファイアはモース硬度9です。

石英のモース硬度は7であり、これらの宝石の硬度は石英のそれより高いことに注意してください。

例外的に硬度が7以下であってもオパール、真珠、サンゴなどはその美しさと希少性から宝石として扱われています。

 

硬度以外の耐久性の条件としては、衝撃により破壊されないこと(じん性)、ある程度の耐火耐熱性があること、酸、アルカリといった化学薬品に侵されないこと、経年変化により変色、退色しないことなどが挙げられます。

その他、大きさ、色彩、透明度などの鑑賞的価値、知名度などの財産的価値といった所有の欲求を満たす性質が重要なのです。

 

ただし、宝石と云う扱いを受けても、知名度があまり高くない石は、収集家やマニア向けの珍品逸品、いわゆるコレクターズアイテムの位置に留まり、見た目の美しさと希少性だけが取り上げられ、その他の条件についてはかなり緩くなっている場合が多いです。

この手の石にはモース硬度2~5などといった傷つき易い石、空気中の湿気を吸い取ったり、酸化が進んで変質する石、紫外線を吸収して自然と退色する石、1カラットに満たない小さなそれしか取れない石、はてはお湯をかけるだけで溶けてしまう石などがあり、当然取り扱いには注意が必要です。。

 

知名度が高い石であっても取り扱いに注意を要する石もあります。

例を挙げるとオパールやトルコ石は石内部に水を含んでいるため乾燥により割れたり、オパールの場合その一大特徴である遊色効果が消失することもあります。

サンゴや真珠は酸には極端に弱く、レモン汁や食酢が付着しただけで変色します。

コハクは高温に弱くすぐ溶けます。

エメラルドは内部に無数の傷を抱えているので、とりわけ衝撃には弱くたいへん割れ易いのです。

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資産価値

鉱物の中で金属にあたり、希少性が高く化学反応や風化などによる経年変化が著しく低い鉱物を貴金属といい、金、プラチナなどが該当します。

資産としてみた場合、換金性、実用用途に関しては貴金属の方が宝石よりはるかに優れています。

貴金属、とりわけ金は価格算定の根拠となる世界的に通用する評価基準が決められており、相場や市場が整備されているのに対し、宝石はダイヤモンドこそ国際的な評価基準ルールや市場、相場が定められているものの、それ以外はどの宝石もその評価基準は厳密ではなく、国や民族によっても大きく異なります。

具体的には、翡翠は東アジアの国々では高く評価されますが、欧米での評価はそれほどでもありません(欧米で高く売買されるときは、最終的に中国に売り込むことが目論まれています)。

誕生石が国によって異なるのもその辺の事情を物語っています。

 

貴金属は宝飾向け以外に、電気電導性に優れている、著しい展延性を有するので箔にしやすい、基本的に錆びないというその特性を生かした工業用途も多々ありますが、宝石の工業用途は研磨材、ボーリングマシンのロッド、切削加工工具(バイト)などに使用されるダイヤモンドを除けば非常に限られています。

かつてはレコード針(サファイア)や機械式時計の軸受け(ルビー)などがありましたが、現在はレーザー発振媒質(ルビー、人工ガーネット)や水晶振動子ぐらいしかありません。

ゆえにダイヤモンドは一見貴金属並みの資産価値が確立されているように思えるのですが、火災などの高温環境にさらされると損傷を受け、資産価値が損なわれる可能性があるため、資産として保有し続けるには難があります

 

宝石の条件は、実はそう明確に決められているわけではないのです。

いえ、もちろん最低限のハードルは求められます。

宝石は、美しさ、希少性、そしてなにより「人々から求められる」ということが価値を決めるのでしょう。

 

引用参考:宝石

 

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