ダイヤモンド類似石
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まめ知識
ダイヤモンドにはさまざまな種類の類似石があります。
ダイヤモンドの模造品とは、どのようなものなのでしょうか。
ダイヤモンド類似石、あるいは模造ダイヤモンドは、ダイヤモンドの天然石あるいは合成石の色や外観や質感を模倣したもののことです。
つまり、ダイヤモンドの模造品のことです。
イミテーション、イミテーションダイヤ、ダイヤモンド・シミュラント、ダイヤモンド代用石などとも呼ばれています。
概説
ダイヤモンド類似石は人工合成ダイヤモンドとはまったく異なります。
ダイヤモンド類似石は、その化学特性、物理特性、 内部構造がダイヤモンドのそれと、一部あるいは全部が異なっています。
それに対して、人工合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ物理・化学特性を有しています。尚、資産価値については、現在は他の宝石同様、とうぜん天然ダイヤのほうが価値があります。
また、加熱や放射線照射により美しく見えるよう人工的に手を加えた、いわゆるエンハンスメント(処理)ダイヤモンドも、ダイヤモンド類似石の定義から除外されています。
ダイヤモンド類似石の代表的なものとしては、
・ガラス
・プラスチック
・セラミック
・張り合わせ石
・プレス(再生)製品
などが挙げられます。
最もよく知られたダイヤモンド類似石としては、有鉛ガラス(クリスタルガラス、より具体的にはラインストーン)とキュービックジルコニア (CZ) で、いずれも天然には産しない人工合成石です。
その他にも、チタン酸ストロンチウム、合成ルチルといった多くの人工合成ダイヤモンド類似石が1950年代半ばに開発されましたが、すぐに廃れてしまい、いまやもう市場で見かけることはありません。
20世紀末にレーザー研究から開発された材料モアッサナイトもまた、ダイヤモンド類似石として出回りつつあります。
ダイヤモンド類似石はその物理的諸特性、具体的には硬度や屈折率、複屈折、熱伝導率などが本物のダイヤモンドと異なるため、鉱物学者や宝石商は主には目視検査で、あるいは適切な測定機器を用いてその真贋を見分けられます。
また水晶などダイヤモンドとは全く組成が異なる鉱物を指して「○○ダイヤモンド」(○○には産地名などが入る)などと呼ぶことがあります。こうした名称はフォールス・ネーム (false name) またはフェイク・ジェムストーン (fake gemstone) といい、販売業者が値を吊り上げるなど、手前の都合良いよう勝手にこじつけただけのものです。紛らわしいので、現在はまともな宝石店、ジュエリー・ショップではその使用を避けています。
諸特性の許容値とその差異
その特性がダイヤモンドに極めて類似している最先端の人工ダイヤモンド類似石であっても、明らかに模造品だとわかる一つの、ないしは複数の特徴を有しており、ダイヤモンドに精通した専門家であれば、そういった特徴から類似石とダイヤモンドとの見極めができます。
宝石学において重要なのは、そうした特徴のうち、とくに非破壊検査により判定できるものであり、その多くは自然光下において視覚的に認識できるものです。
非破壊検査が好ましいとされるのは、真贋を見極めたい石の多くはすでにカットされ、台に据え付けられなどしてジュエリーに組み込まれているからで、破壊検査(その多くは硬度や耐久性を測る)で傷がついた場合(真のダイヤモンドであればふつう傷はつきません)、例えその石がダイヤモンドではない真っ赤な偽物であっても、骨董的、美術的といった別の価値があるわけで、その所有者にとっては傷物にされたという受け入れ難い結果になってしまうからです。
ガラスでダイヤモンド風のアクセサリーは多く見かけますね。
流行のものは模造品などでも十分かもしれません。
しかし、長く大切に使うのであれば、やはり本物を持ちたいところです。
引用参考:ダイヤモンド類似石
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