ダイヤモンド類似石3
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まめ知識
ダイヤモンドの偽物、あなたは肉眼で見抜けますか?
もちろん、あきらかな偽物は皆さんもきっとわかるはず。
しかしながら、正直、プロの方であっても肉眼でわからないレベルの類似石があります。
本物のダイヤモンドを購入する際は、証明書をもらってくださいね。
人工合成された類似石
ダイヤモンドに似せた石を人工的に合成する行為は百年以上にわたって行われ続けてきており、こうしたダイヤモンド類似石が示す諸特性値は、技術の進歩により新しく登場したものほど、本物のそれにだんだんと近づいてきています。
こうしたダイヤモンド類似石のほとんどは出現した時期ごとにそれぞれ特徴があり、一時的、または継続的に大量生産されることで今日の宝石業界においてもなお、様々な頻度で出現し続けているのです。
これらはもともと先端技術での使用を念頭において開発されたものであり、そうしたハイテクにはレーザーの発振用媒質、バリスタ、磁気バブルメモリなどがあります。
現在では生産量がきわめて限られるため、古いタイプの類似石を入手するためコレクターはプレミアを支払わねばならないときもあります。
18世紀以降
ガラスに鉛、アルミナ、タリウムを混入して屈折率と分散を高める製造法はバロック後期から行われるようになりました。
こうして製造されたガラスはますます光り輝くようになり、新たにカットすれば驚くほど見事なダイヤモンド類似石になりました。
ラインストーン、ペースト、ストラスといった名で知られたこの種のちゃちな類似石は、アンティーク・ジュエリーの世界ではごくふつうに用いられています。
よってこの種の石については、ジュエリー自体に骨董的価値がある場合もありえるので、ガラスだからといって資産価値が著しく落ちるとは限りません。
有鉛化によりガラスが柔らかくなった(モース硬度6以下)ことで、ラインストーンのファセット(カット)面やその縁はより早く丸められ、傷つけられます。
それとともに貝殻状断口、気泡、鋳型の継ぎ目といった特徴が中倍率程度で見つけられるため、ガラス製イミテーションの鑑定は容易なのです。
近代になるとカットではなく成型による模造がごく一般的となりましたが、ファセット面は凸凹で、縁は相変わらずすぐに丸まってしまいます。さらには鋳型に入れられた際についた傷や線が見られます。
張り合わせ石など、ガラスは他の素材と組み合わされイミテーションに用いられることもあります。
1900年 – 1947年
数あるダイヤモンド類似石のうち、最初に人造合成結晶として登場したのは無色の合成サファイア(Al2O3、コランダム単結晶)と合成スピネル(MgO・Al2O3、二アルミニウムマグネシウム四酸化物単結晶)です。
この2つは、20世紀最初の10年にベルヌーイ法(火炎溶融法)によりかなりの量が製造されました。
ベルヌーイ法は、経済的であり、最大径9cmまでの結晶を焼成できます。
現在では、ブールはさらにチョクラルスキー法で数キログラムの大きさにまで成長させることができます。
サファイアやスピネルは安定した鉱物(モース硬度はそれぞれ9と8)であり、光沢も見事なものですが、本物のダイヤモンドと比較した場合、屈折率がぐっと劣る(サファイアは1.762-1.770、スピネルは1.727)ため、カットを施してもどこか生き生きとしません(サファイアはまた三方晶系であるため複屈折が見られ、真贋の別が容易)。
屈折率が低いということは分散値もまた低い(それぞれ0.018、0.020)わけで、ゆえにブリリアント・カットを施してもダイヤモンドのようなファイアは見られないのです。
にもかかわらず、合成サファイアや合成スピネルは1920年代から1940年代後期にかけてダイヤモンドのイミテーションに広く用いられました。
この2つはまた他の素材と組み合わされイミテーションに用いられることもありました。
合成サファイアには「ダイヤモンデッテ」(Diamondette)「ダイヤモンダイト」(Diamondite)「ジュラードダイヤモンド」(Jourado Diamond)「スリリアント」(Thrilliant)、合成スピネルには「コルンドライト」(Corundolite)「ラスタージェム」(Lustergem)「マグラクス」(Magalux)「ラディアント」(Radiant) といった流通名が付けられています。
まさか合成とはいえサファイアがダイヤモンド類似石にあたるとは、驚きますよね。
さまざまな方法で、ダイヤモンドのイミテーションは存在しているのです。
引用参考:ダイヤモンド類似石
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