ダイヤモンド類似石・カラーダイヤモンド
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まめ知識
ダイヤモンドには、カラーダイヤモンドという種類があります。
これは名前の通り、端的に言えば色のあるダイヤモンドのことです。
そんなカラーダイヤモンドにも、類似石があります。
ファンシーダイヤモンドの類似石
珍品と言われるファンシー(カラー)ダイヤモンドにも類似石が存在し、ジルコンがその目的に用いられることもあります。
茶色いジルコンを高温に加熱すると、鮮やかな色に変わることがあるからです。
中でもスカイブルー、ゴールデンイエロー、赤がよく見られます。
ブルージルコンが一番多いですが、この色は決して安定しておらず、長期間紫外光(太陽光に含まれる紫外線帯)に曝すことで褪色してしまいます。
加熱処理はまたジルコンの結晶構造を変化させるので石は脆くなり、また特徴的な内包物が出ます。
それとは別のファンシーダイヤモンド類似石は閃亜鉛鉱ですが、この石も相当に脆いのです。
宝石質の石はたいていべっこう色からハニーブラウン、オレンジ、赤、緑といった色が着いています。
高い屈折率 (2.37) と分散値 (0.156) から、宝石としてまこと見事な光沢とファイアを呈し、等軸晶系なので複屈折も見られません。
しかし、この石もまた硬度が低く (2.5-4)、正十二面体の各面に沿ったへき開面を有しており、ジュエリーとして利用されません。
二つのカルシウム含有ガーネット、グロッシュラー(灰礬柘榴石)(通常茶色がかったオレンジ、希に無色透明、黄、緑、ピンク)とアンダライト(灰鉄柘榴石)のがずっと適任です。
後者は(大まかに分けると6種類ある)ガーネットのうちもっとも希少であり、それだけに価値もあります。
その色変わりの3つ、トパゾナイト(黄)、メラナイト(黒)、デマントイド(緑)はときおりジュエリーに用いられます。
とりわけデマントイドは文字通り「ダイヤモンドに似た」という意味で、1868年ウラル山脈での発見以降珍重されてきました。
この石(の使用)はロシアのアンティーク及びアールヌーボージュエリーの特徴として注目されます。
チタン石、別名スフェーンもアンティークジュエリーではよく見かけます。
これは濃淡のある黄緑色を呈し、光沢があり屈折率 (1.885-2.050) と分散値 (0.051) もダイヤモンドに見紛うだけ十分に高いのです。
1960年代に発見された深い緑色のツァボライトは、グロッシュラーの色変わりの1つで、これも人気が高いです。
グロッシュラーもアンダライトも等軸晶系であり、比較的高い屈折率(各々1.74、1.89)と分散値 (0.027、0.057) を有しており、デマントイドについてはダイヤモンドの値を超えています。
しかしながら硬度は低く (6.5-7.5)、ダイヤモンドではまず見られない内包物が見られる。
デマントイド中には通称ホーステイルと呼ばれる石綿状の緑閃石が見られますが、これなど顕著な一例といえるでしょう。
さらには、そのほとんどの結晶が小さく、ふつうは重量0.5カラット (100mg) 以下です。
その光沢はガラス質からダイヤモンドに準じたもの、通常漆黒のメラナイトに見られる金属質まで様々で、メラナイトはそれゆえブラックダイヤモンドの類似石に使用されることがあります。
天然のブラックスピネルにも、往々にしてこの用途に適する十分に黒いものがあります。
カラーダイヤモンドの類似石を見たことはありますか?
案外、身近にないかもしれません。
見かけたら観察してみてくださいね。
引用参考:ダイヤモンド類似石
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