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合成宝石素材入門

公開日: : まめ知識

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合成宝石とはその名の通り、研究所で人工的に合成製造される宝石素材のことを指します。合成宝石とは言っても実際は、天然の鉱物と比べると化学的、光学的、物理的特性は全て同じです。しかし、中には合成トルコ石や合成オパールのように、余分な化合物が混在する場合もあります。

合成宝石の歴史とその用途

合成宝石の結晶は、1800年代終盤以降から製造され始めました。その生産の多くが、宝石産業以外で工業用に応用するという需要から来ています。最初に成功した合成宝石の生成は、ファセットカットできる品質の合成ルビーの生成でした。つまり、宝飾品として宝石産業でも通用する品質の合成ルビーの生成に成功したということです。ただ、一般的に合成宝石の結晶は、通信やレーザー技術、マイクロエレクトロニクス、研磨剤などに利用されています。宝飾品に使用するための合成石は、適正な材料と時間、およびそれらを育成する設備があれば「注文製造」ができます。すなわち、一貫した色と結晶形で製造できるので、同党のサイズ、クラリティ、色の彩度の天然宝石よりもはるかに希少価値が下がることもあります。このように一定の品質を保って製造できるため、天然に産出する宝石と混同される可能性があります。そのため、合成宝石結晶がどのように市場に出て販売されるかに関するガイドラインが厳密に定められています。

合成宝石販売のガイドライン

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アメリカでは、連邦取引委員会(Federal Trade Commission)が研究所で製造される宝石素材が天然に発生しなかったと言うことに全くの疑いが残らないように記述することを定めています。製造業者から消費者の手に渡るまでの販売全体の流れの中で、合成宝石素材の製造過程の情報をはっきりと開示していない場合は、詐欺として扱われます。また、アメリカ宝石取引協会(AGTA)、国際色石宝石協会(ICA)、国際貴金属宝飾品連盟(CIBJO)など多くの業界団体があり、合成宝石を販売する際の情報開示に関して会員のための特定の指針を策定しています。

合成宝石の製造方法

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過去10年の間で、新種の人口宝石素材の販売は減少しています。これは、合成宝石素材のレパートリーが新しい物質を創出すると言う点において限界に達したことをしています。しかし、生産面で言えばこれらは非常に重要で、まだ限界値に達した訳ではありません。
全盛期の研究者は、研究所で様々な方法を使って様々な人口宝石素材を開発してきました。その方法のほとんどは、主に「融液法」と「溶液法」のふたつのカテゴリーに分類されます。融液法では、融液の化学成分とそこから生じる結晶の成分は同じです。溶液法では、溶液または溶融物にはそこから生成される結晶とは異なる化学物質が含まれます。成分は高い温度で溶液または溶融物に溶解され、溶融温度が下がるに従って結晶が形成されていきます。

火炎溶解、またはベルヌイ法(溶融法)

初めて商業的に成功した合成宝石は、火炎溶融法によって作られました。 このプロセスでは高温の火炎の中に粉末状の化学物質を滴下させ、そこで粉末が溶融し回転台上に落下し合成結晶を作り出します。 今日でもこの方法は、合成コランダムやスピネルなどの宝石を作る最も安価で最​​も一般的な方法となっています。

結晶引き上げ法またはチョクラルスキー法(溶融法)

結晶引き上げ法は、1900年代初頭に登場しました。このプロセスでは、原料がるつぼ内で溶融し、融液に浸漬された種結晶から合成結晶が成長し、その後成長するにつれて徐々に結晶を溶融液から引き上げていきます。 引き上げ法によって合成される宝石には、合成のアレキサンドライト、クリソベリル、コランダム、ガーネットなどがあります。

フラックス法(溶液法)

現在、エメラルド、ルビー、サファイア、アレキサンドライト、スピネルなど一部の合成宝石は、フラックス法(またはフラックス成長法)で製造することができます。フラックスは固形物質で、溶融すると水が砂糖を溶かすのと同じように他の素材を溶かします。溶解した化学溶液が徐々に冷却し、合成結晶が形成されます。
フラックス法により合成宝石を成長させるには、忍耐とかなりの投資が必要です。結晶の成長には一年かかることもあり、また機器が非常に高価です。しかし結果として、特にエメラルドを製造する場合は、時間をかけ努力する十分な価値があります。

熱水成長法(溶液法)

フラックス法と同様、熱水成長法は時間と投資が必要です。しかし、熱水成長法が合成クオーツの製造を成功させる唯一の方法です。このプロセスは熱と圧力を必要とし、天然宝石の形成をもたらす地球深部の状態を模倣させる方法です。原料を水溶液に溶解し、その溶液が冷却するにつれて合成結晶が形成されます。

 

引用参考 カラーダイヤモンド博士

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