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合成宝石の種類

公開日: : まめ知識

前回は、合成宝石素材がどのように製造されているのかをご紹介いたしました。今回は、一般的に見られる合成宝石の種類をご紹介いたしますが、長年の間には実験的な合成宝石もありました。マカライトやカラーチェンジタイプの合成スピルネなどがその代表的なものです。しかし、これらの製品は自然界で容易に作り出されるので、近年ではあまり製造されていません。

合成ダイヤモンド

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研究所で製造されるダイヤモンドの特性の多くが天然ダイヤモンドと共通していて、どちらも基本的に炭素でできています。合成ダイヤモンドが頻繁に見られることはありません。化学反応により、炭素原子を放出させてダイヤモンド種結晶上に沈殿させ、真空容器内でのダイヤモンドを成長させる「化学蒸着(CVD)」という手法で製造さるものと、より高い温度で炭素を溶解する溶融フラックスによるダイヤモンドの成長で、ダイヤモンドが成長容器内部の低音部で種結晶上に形成される「高圧高温法(HPHT)」という方法で製造されるものがあります。高圧高温法で作られる合成ダイヤモンドには、様々な色の合成ダイヤモンドが製造できます。

合成コランダム

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ルビーやサファイアを含む合成コランダムを製造する方法は、非常に多岐に渡ります。このため、合成コランダムは非常に手頃な価格から非常に高価なものまで、様々な価値水準があります。

■ルビー
1800年台終盤に、オーギュスト・ベルヌイによって、ルビーが研究所で作られた最初の合成宝石となりました。1902年、彼はこの美しい宝石を合成する火炎溶融法の開発を発表しました。

■サファイア
合成サファイアの最も初期のいくつかの実例は、アールヌーボーやアール・デコの宝飾品のオリジナル作品に頻繁に見られます。多くの合成サファイアは依然として火炎溶融法によって作られていますが、フラックス成長サファイアは1960年代から入手可能となりました。フラックス成長法や、結晶引き上げ法、熱水法などによって製造される合成サファイアは、天然宝石の代替品として多く用いられます。アレキサンドライトを模倣して作られたカラーチェンジ合成サファイアは、1900年代初頭以来人気があります。一部の合成ルビーやサファイアでは、誘発されたインクルージョンによってスター効果を発生させることに成功しています。

合成エメラルドおよびその他のベリル

合成ベリルは、イエロー、レッド、ブルー(アクアマリン)、グリーン(エメラルド)を含め、多くの色が製造できます。グリーン(エメラルド)が一番入手が簡単で、他の色は流通が少なく目にすることが少ないです。1980年代終盤から1990年代に、ロシアがこれらの合成宝石の大生産者隣、今でも合成ダイヤモンドや合成アレキサンドライトのような他の合成石とともに、これらの合成ベリルおよび合成コランダムなどの熱水法成長合成宝石の主要な生産者となっています。

■エメラルド
1930年代終盤に、科学者たちはついに大変望ましい濃緑色の宝石を商業的に採算が取れる方法、フラックス成長版の合成に成功しました。宝飾品向けの熱水合成エメラルドは、1960年代に市場に登場しています。

合成クオーツ

シトリン、ローズクオーツ、スモーキークオーツ、アメジストなどの宝石品質のクオーツは大変魅力的ですが、天然宝石品質クオーツは豊富なので、研究者は、希少性があるという理由で宝石品質クオーツの合成法を開発した訳ではありません。クオーツは、技術面で重要な役割を果たしているため、合成する価値がありました。クオーツは圧力を受けると電流を起こし、交流電流に正確に反応して振動します。こうした昨日から、時計、通信機器、フィルタ、発信器などに実用的に利用されています。

■アメジスト
研究所で合成されたアメジストおよび他の合成クオーツ変種は、産業用とへの応用のために開発されたあと、宝飾品としての開発もされています。最初の熱水法合成クオーツは、1890年代に製造されました。そして第二次世界大戦のころ、合成クオーツがより多く市販されるようになりました。

合成スピネル

20世紀の初めに、合成ブルーサファイアを製造する過程で偶発的に合成ブルースピネルが製造されました。それ以来、合成スピネルは多くの天然宝石の代用品として一般的に使用されてきました。1990年代には、ロシア製のフラックス法成長の合成スピネルが市場に参入します。ロシア製の合成スピネルは、古い火炎溶融法でのプロセスでは手に入りにくいレッドスピネルを含む様々な色がありました。

合成オパール

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1970年代に、ギルソン社が模造石として十分な品質となる合成オパールを作るために3段階のプロセスを開発しました。まず、シリカの微細な球体を沈降によって生成します。次に、その球体を一年以上酸性水に入れておきます。最後に、オパールの遊色効果を創出する球体の積層配列を歪めることなく、油圧プレスで球体を固めます。これらの合成オパールは時折市場で見られ、天然のホワイトオーパールやブラックオパールのように非常に価値のあるものに見えることがあります。

合成アレキサンドライト

天然アレキサンドライトは、市場をの需要を十分に満たすほど産出されないため、過去数十年の間様々な合成石が市場に登場しています。アレキサンドライトは、チョクラルスキー法、フローティングゾーン法、フラックス法を含め、多様なプロセスによって合成されてきました。また、変色効果を伴う合成コランダムは天然アレキサンドライトを模倣するためによく使用されます。市場では稀に、合成カラーチェンジスピネルに遭遇する可能性もあります。アレキサンドライトの模造石はそれほど希少価値はなく、カラーチェンジタイプの合成スピネルや合成サファイアなどがあります。

 

引用参考 合成宝石素材入門

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