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ダイヤモンドの歴史から学ぶ、変化する価値基準の重要性

公開日: : 最終更新日:2014/07/14 ダイヤモンドの基礎知識, 資産運用

<時代と共に変化してきた、ダイヤモンドの価値>
美と富の象徴として、女性を中心に多くの人々を魅了し続けるダイヤモンド。現在ではファッション、美の象徴ばかりではなく、世界各地の富裕層の資産運用の手段としても活発に取引されているダイヤモンド。

そんな多くの人たちが愛するダイヤモンドは、どのようにして発見という形で生まれ、ここまで進化して来たのでしょうか。

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その歴史は、以下の流れを辿ります。

  • 発見
  • 研磨技術の向上
  • 美しさという付加価値
  • 人口生成技術の発展

そして、ダイヤモンドの価値を決めるエレメントが見えてきます。

  • 希少性
  • 権威あるものの認定
  • 付加価値

今回はダイヤモンドのルーツをご紹介し、いかにしてダイヤモンドが、これほどまでに世界の富の象徴的シンボルとしてきたのかという歴史を一緒に見て行きたいと思います。

<人類とダイヤモンドの出会いは、インドの川原だった!>
紀元前にインドの川原にあった、特に美しくもない、ただの硬い石。これが人類とダイヤモンドとの出会いでした。とにかく硬い石でしたが、原石のままのダイヤモンドには硬い以外の特徴はなく川原に転がっている、ありふれた石だったようです。

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何事にもはじめてはあるものですが、これには少し驚きですよね。皆さんも子供の頃、川遊びをした経験があるのではないでしょうか。あの頃、お友達と川で遊んだ時の石ころが、数百年後にもの凄い価値のあるものになっているかも知れませんね。

<ローマ時代にダイヤモンドの語源が出来る?>
ローマ時代の人々にとって、ダイヤの価値は「硬い性質」「正八面体の結晶の珍しさ」、はるか遠くのインドから渡ったこともあり、神秘的で呪術的なもので病気や天災から身を守る護身符や魔よけとして人々の間で広まりました。当時のダイヤモンドは、美としての価値ではなく、その形状や並外れた堅さから、神秘的なものとして扱われていたのです。

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古代ヨーロッパのローマの文献には、ダイヤモンドは鉄鋼を含め硬い物を表現した「アダマス(Adamas)」という物質の一種として紹介されました。この「アマダス」が変形してDiamasを経てDiamantになり、ダイヤモンドの語源になったそうです。アマダスとは「征服し得ない力」を意味するギリシャ語に由来します。

ダイヤモンドは、いわゆる炭素(C)の同素体の1つであり、実験で確かめられている中では天然で最も硬い物質です。ちなみに日本語では金剛石(こんごうせき)とも言われています。その由来は、仏典の中の「金剛不壊」からとったとも言い伝えられ、ダイヤモンドの硬さを象徴するエピソードだと言えます。ダイヤモンドが何故電気を通さないかというと、結晶の原子に不対電子が存在しないためです。

地球内部の非常に高温高圧な環境で生成されるダイヤモンドは、特に定まった形で産出されず、また、角ばっているわけではないのですが、そのカットされた宝飾品の形から、菱形、トランプの絵柄(スート)、野球の内野、記号(◇)を指してダイヤモンドとも言われています。

【参考】ダイヤモンドとは

<インドの川で発見されたダイヤモンドの原石は、どのように生成されたのか?>
ダイヤモンドは、はるか地下140~200㎞の高圧・高温のマグマの中で結晶化します。地殻変動の影響を受けて地表近くに出てきたのが、現在私たちが手に入れているダイヤモンドです。現在、見つかっている最も古いダイヤモンドは、約45億年前に生成されたものだとか。地球の誕生が約46億年前ですから、ダイヤモンドは地球が生まれて間もない頃から生成されたのです。

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<ダイヤモンドの価値が、他の宝石と比べて低い!>
ときおり瞬間垣間見せる、その結晶からくる美しさから、もちろん当時から宝石として認められてはいたダイヤモンドですが、その価値は現在と比較して驚くほど低く、ルネサンス後期の著名な金細工師ベンヴェヌート・チェリーニは当時、ルビーやエメラルドより価値が低く、価格もルビーの8分の1以下としていました。

その理由の一つには、宝石としてのダイヤモンドをより輝かせるための研磨方法が、当時見出されていなかったことが大きな要因とされています。秘めた輝きを放つダイヤモンドも、その価値をより高く、今のように魅了するには、そのボディはあまりに強く、固かったのです。

よくドラマや小説のエピソードの中で、まだ本来の力を出し切る前の主人公は総じて、「ダイヤの原石のような」なんて言われますよね。宝石も人も、ビジネスも、あらゆるものは、磨き方によって付加価値が大きく変わるという、ダイヤモンドの歴史はその象徴とも言えるのでしょう。

現代では他の宝石よりも高い価値があるとされるダイヤモンドが、その昔は価値がルビーやエメラルドなどよりも低いなんて、ちょっと考えられませんよね。その時の権威ある人々に評価によって、その価値が大きく異なるのはいつの時代も同じようです。

それでは、当時比較的価値が低いとされていたダイヤモンドが、どうして今これだけの高い地位に着くことができたのでしょうか、それをこれから見て行きましょう。

<一気にダイヤモンドの価値が上昇!理由は、研磨方法にあった!>

「ダイヤはダイヤで磨く」
15世紀になり、「ダイヤはダイヤで磨けばいい」という研磨方法が考え出され、次第に宝石としての価値を持ち始めるようになります。ダイヤ同士でこすり合わせる(ダイヤの粉末を付けた皮でこする)という方法です。これはオランダのベルケムという宝石職人が考案したと言い伝えられています。

それでも研磨技術が発見された当初は、ダイヤモンドの美しさを引き出す屈折のうち、反射を良くするということに重点が置かれました。原石の、すりガラス状の表面を削って、光沢のある面にするのです。時に不要な角の部分を剃り落とす程度でした。当時のカット方法は、概ねポイント・カットと呼ばれるこういった技工が殆どだったのです。ダイヤモンド、神秘的とも言える輝きを持った宝石である彼らは、例えるならば「まだ、片目を開けようとしていた状態」だったのです。

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その後、研磨技術の向上とカット方法の研究が行われ、ダイヤモンドは宝石の中でも高い価値を持つようになります。16世紀には「ローズカット」、17世紀には「ブリオレットカット」の施されたダイヤを使ったジュエリーが見られ、1700年頃はダイヤモンドのもつ輝きを最大限に引き出す「ラウンドブリリアントカット」がベネチアのビンセント・ベルッチによって開発されました。光と明るさ、飽きのこない色合い、優雅な曲線美のデザインが志向されてきたことを背景に、ダイヤはジュエリーの主役に躍り出たのです。

<あちこちで、ダイヤラッシュ?>
長い間、ダイヤモンドはインドでしか産出されませんでした。しかし、1730年代にブラジルでもダイヤが発見され、インド以外では初めてのダイヤの産地になりました。インドから供給されていた量よりも多く、これを機に、欧州各地、特にアムステルダム、アントワープなどの町にダイヤモンド工場が設立されました。

手工業から産業になり、これらの貿易・加工・販売全てがユダヤ人によって行われたのです。ダイヤモンドの価値にいち早く気付き、ダイヤモンドを流通したのがイスラエルに住むユダヤ人の流浪の民。持ち運びが便利で軽くて、価値が高い宝石を珍重されました。現在でもユダヤ人が作り上げたでビアス社は、ダイヤモンドの流通の要になっています。1860年代にはブラジル産のダイヤモンドは枯渇しましたが、1866年に南アフリカで世界最大級のダイヤ鉱脈が発見され、供給量も増え、人口も多くなりダイヤラッシュという現象が起こるのです。

<ダイヤモンドを自ら作り出す時代へ>
20世紀、人類はダイヤモンドを作り出すことに成功しました。人口ダイヤの登場です。以前からダイヤをまねした模造品はありましたが、本物のダイヤを作りだすのに成功したのはこの頃からです。当初は極小粒のものしか出来ず、天然ダイヤよりもコストがかかっていました。しかし、技術の進歩により、現在は天然のものより安く安定した品質のものを製造できるようなりました。これらの人口ダイヤは、全て工業用にまわされています。(工業用ダイヤのシェア半分を人口ダイヤが占めています)

<人口ダイヤが宝石として使用できる日がくるかも?>
現在、宝石として使えるくらいの大きな人口ダイヤモンドは、設備投資やコストの問題から流通していませんが、いつの日か宝石用の人口ダイヤがジュエリーショップに並ぶ日が来るかもしれません。

<歴史に学び、長いスパンで価値あるものを見極めることも重要>
ざっとですが、これがダイヤモンドの誕生から現在に至るまでのおおまかな流れです。
ダイヤモンドの歴史を見ると、資産としての価値を見出すヒントが隠されていると思います。

  • 発見
  • 研磨技術の向上
  • 美しさという付加価値
  • 人口生成技術の発展

ポイントは、「希少性」「権威あるものの認定」、研磨など付随する「付加価値」です。人口技術が発達すれば、「希少価値」そのものは薄れてしまうかもしれません。反対に天然の価値は上がっていくのでしょうか。それらを複合的に考え、独自で価値を長期的に見極めることも又重要なのです。

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