価値に影響大?!ダイヤモンドメンテナンスのお話
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最終更新日:2014/07/14
ダイヤモンドの基礎知識
◆ダイヤモンドは、メンテナンスをしないと価値が落ちる?
ダイヤモンドを扱う人が、白い手袋とピンセットで扱っているのを良く見かけます。
実は、ダイヤモンドは油と非常に相性がよく大変くっつきやすいのです。この性質を親油性といいますが、このために手の脂がダイヤモンドにくっついてしまいます。ダイヤモンドの安定性は抜群ですから、例え脂がついたとしても洗えない事はありません。しかし、時間がたつと落ちにくくなるし台座を傷めることもありえます。基本的には油を近づけないようにするのが懸命です。
◆財産価値として保有するなら価値は必須
もし将来、お手持ちのダイヤモンドを高価買取したいと思っている方は、普段からお手入れや正しい保管を行う必要があります。購入時と同様の輝きを放つダイヤモンドは何年経ってもその価値が失われません。
◆女性の生活習慣にはダイヤモンドが汚れる原因「油分」がいっぱい
耐熱性、耐酸性、対アルカリ性は宝石の中で一番優れています。燃焼温度は空気中では750度から800度 で表面の石墨化が始まります。
それほど優れたダイヤモンドですが、弱点もあります。代表的なものは、生活にも馴染みが深い「油分」です。冒頭でも少しご説明しましたが、ダイヤモンドは親油性と言って、油が付きやすい性質を持っています。化粧品が付いた手を洗うだけでも、ダイヤモンドは曇ってしまいます。どうしても日常生活の中で汗や皮脂、女性なら特に化粧品等がついてしまうことが避けられないからです。この油分にゴミが付着しやすくなり、汚れが溜まります。汚れが溜まったままにしておくと、段々と光の反射が悪くなり輝きが鈍くなるため、定期的なお手入れが必要とされます。
放っておくと透明感が失われ高価なダイヤモンドの魅力も台無し。では、どうしたら美しい輝きを維持できるのでしょうか。ダイヤモンドを汚れや傷から守るため、正しい知識を身につけておきましょう。お手入れ方法をご紹介します。
◆日頃の心がけ「着用したら丁寧に拭く」
一番簡単なお手入れ方法は「着用したら丁寧に拭く」ということです。身につけた後は、ジュエリーをケースにしまう前に、柔らかい布や眼鏡拭きなどのクロスで、優しく表面をカラ拭きしてあげましょう。一日の終わりにその手入れを忘れないことで、ダイヤモンドの輝きを維持できます。
【Column:ダイヤモンドも割れる??】
世界一硬いダイヤモンドですが、割れにくさを表すじん性はルビー、サファイアより劣ります。 ダイヤモンドの原石は、ピラミッドを二つ合わせたような八面体です。この面に平行した方向に劈開性が あるために、この方向に力が加わると、剥がれるように割れてしまいます。この割れやすさがルビーより 劣るわけですが、他の方向では、はるかに丈夫です。ですから使用していて割れる事はほとんど無く、 むしろルビーのほうが知らないうちに欠けている事の方が一般的です。引っ掻き傷は、ほとんど絶対と言ってよいほどつきません。
【参考】ダイヤモンドの特性
◆ホームクリーニングについて
「着用したら丁寧に拭く」を習慣にしていても、残念ながら落とすことができる汚れも限られてきます。
繊細なデザインの指輪などは特に汚れが目立ってきますので「もう少し綺麗にしたい」という方には、ご自宅でクリーニングする方法をご紹介いたします。
[用意するもの]
- 柔らかい歯ブラシ
- 洗面器
- ぬるま湯
- 食器洗い用の中性洗剤
- タオル
- メガネ拭き、またはセーム革
※セーム革とは、カモシカの皮をなめしたものです。繊維が残らないので、ジュエリーを磨くのに適しています。セーム革を手に入れなくても繊維が残らないという意味では、メガネ拭きでも十分代用可能です。
<ダイヤモンドをホームクリーニングする際の注意事項>
- 取り扱う宝石によってクリーニング方法が違う!
- 今からご紹介するクリーニング方法は、婚約・結婚指輪に使用されることの多い「ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド」のジュエリーに適したものです。水分や熱に弱いデリケートな宝石「真珠、エメラルド、オパール、珊瑚、ターコイズなど」については、決してこのようなクリーニング方法をとらないようにしてください。
- ダイヤモンドを止めているネジの緩みをチェック!
- ホームクリーニングをはじめる前に、ダイヤモンドを台座と止めているネジが緩んでいないか確認してください。ピンセットなどで触ってみて、カタカタ動くようなら危険です。緩んでいる場合は、クリーニングしている間に、ダイヤモンドが取れてしまう可能性があります。購入したショップに持って行き修理をしてもらいましょう。
- 排水溝に流れないように栓をする!
- 排水口でのクリーニング時にブラシでこする際、ダイヤモンドが外れてしまうこともあります。排水口にダイヤモンドが流れてしまわないように排水口は開けたままにしないで下さい。また、火の気のある場所での取り扱いは避けてクリーニングしましょう。
- 丁寧に扱いましょう。
- ダイヤモンドがこの世の物質の中で最も硬いことは事実です。しかし、実際には硬い物質といわれるダイヤモンドでも、何かの弾みで欠けることもあります。ひどい場合は割れてしまうこともあるのです。ダイヤモンドは硬い物質だからと乱暴に取り扱っても大丈夫なわけではありません。正しい取り扱いとお手入れ法を意識して、ダイヤモンドの輝きを守りましょう。
ダイヤモンドのホームクリーニングの具体的な7つ手順
- まずは準備:洗面器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を溶かしてかき混ぜておきます。
- つけおき:その中に、汚れを落としたいジュエリーを数分間つけておき、汚れを浮き立たせます。頑固な汚れの場合は、一晩漬けておいてから洗うとよいでしょう。
- ブラッシング:爪と石の間や台座の裏など、汚れの詰まっているところに歯ブラシを当て、汚れを取り除きます。ダイヤモンドを歯ブラシで優しくブラッシングします。指輪の爪と石の間や台座の裏は汚れが溜まりやすいので念入りに磨いて、汚れを取り除きます。絵筆を使うのも効果的です。ジュエリーの金具を傷つけないようにご注意ください。
- すすぎ:ジュエリーをぬるま湯でよく濯ぎます。ジュエリーに洗剤が残っていると、肌荒れの原因にもなるので、丁寧にゆすいでください。洗剤が残っていると、肌荒れの原因になりますから要注意です。
- 拭き取り:タオルで水分を拭き取ります。乾いたタオルで水分を十分に拭き取り、必ず乾燥させることが大切です。
- 磨き:仕上げにセーム革で磨きます。メガネ拭き、またはセーム革で丁寧に磨きます。水分を拭き取る場合も、すでにタオルに皮脂が付いているので、逆に汚れを付けてしまう事になりかねませんので注意が必要です。
- 保管方法:ダイヤモンドの硬度が高いために、他の宝石やダイヤモンドどうしで傷つけてしまうこともあります。そのため、指輪やジュエリーを身につけていないときは、ダイヤモンドは特に他の宝石と一緒にしまわないように、ケースや袋で個別に保管しておきましょう。
ご自宅で超音波洗浄
もっと本格的にクリーニングしたいという方には、超音波洗浄器もお勧めです。超音波でジュエリーを細かく振動させて付着した汚れを浮き立たせることで、ブラシだけでは落としにくい細かな部分の洗浄に適しています。ただし、超音波洗浄は、ダイヤモンドを留めてある爪がゆるんでしまう可能性があります。
ご自宅で超音波洗浄を使用してクリーニングする場合は、十分にご理解の上、ご使用下さい。
<使い方>
- 洗浄液を溶かしたぬるま湯を入れ、ジュエリーの入ったカゴを浸します。
- スイッチを入れると超音波が出て、その振動で細部の汚れが浮いてきます。
- ぬるま湯をはった右の槽にカゴを移し、スイッチを入れ、濯ぎます。
- タオルで水分を拭き取り、セーム革で磨き上げます。
この方法は、機械さえ手に入れてしまえば、とても簡単に本格的なクリーニングができるので、「ジュエリーをいつもキレイにしていたい」という方には勧められる方法です。
◆ジュエリーショップにてクリーニング
ご自宅でクリーニングする際に、「ダイヤモンドに傷をつけてしまわないか不安」という方は、専門の業者にクリーニング依頼することをおすすめいたします。きちんとしたジュエリーショップは、アフターサービスもしっかりと整っています。最近では無料でクリーニングを行ってくれるお店も増えていますので、購入のジュエリーショップにクリーニングを依頼することで、ご自宅にてクリーニングされる場合に出る心配も解決できるのではないでしょうか。
◆定期的な点検のすすめ
それでも、文面上で紹介しているお手入れの方法では限界があります。それぞれ汚れのつき具合には個体差があり、又皆さんが大切にされている世界に二つとない宝物、ミスの生じない程度の洗浄力と方法でしか、紹介が難しいからです。メンテナンスで破損してしまったなんて、悲しすぎますよね。
それぞれの汚れに適した高い洗浄力を持つ潜在を使えば効果はもちろん出ることは間違いありません。ですが、うっかり間違った洗剤を使用すると、宝石によっては変質してしまい、まったく価値の無いものになってしまいかねないからです。ジュエリーの形状にも洗い易いもの、そうでないものと様々です。一度洗剤が入り込んでしまうと、水洗いをしてもなかなか成分の抜けない構造もあり、その形状はほんとうに様々です。ですので、クリーニングも兼ね、定期的(6ヶ月~1年を目安)に点検を受けることをおすすめします。
こだわって買ったのに、ダイヤモンドが汚れていては台無しです。クリーニングで輝きを取り戻した、まばゆい指輪をはめて、指輪を贈った時や贈られた時を思い出して、お互いを思う気持ちが深まるかもしれませんよ。
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